2018年12月11日火曜日

年間ベスト廃盤レコード2018 (その1)

こんにちは。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今年も早いもので、残り数週間。

僕は今年もたくさんレコードが買えて楽しい一年でした...

そんなわけで、去年はすっかり忘れていたのですが、今年入手した中古レコードの中で、お馴染みの定番アイテムから、よく分からないものまで、心に残ったお気に入りの作品をただただ自慢する『年間ベスト廃盤レコード』を書いてみようと思います!

今年のレコード購買遍歴は、ニューエイジに始まり、バレアリック〜ヨットロック〜AORと一連の個人的なブームが夏まで続き、9月にリリースされたNoname『Room 25』を聴きとても感化され、高校生の時以来のソウル/レア・グルーヴ・ブームが押し寄せ年末まで駆け抜けた次第です。S.S.W.は相変わらず買ってます。何回かに分けて10枚ずつ区切って、気ままな順番でご紹介出来ればと思います。




Steve Hiett ‎– Down On The Road By The Beach
Label: CBS/Sony ‎– 28AP 2525
Country: JP
Released: 1983

今年出会ったレコードで特にお気に入りの1枚です。写真家Steve Hiettが、音楽家として残した唯一作。ニューエイジ、バレアリックとしての再評価著しいですが、ブルースやロックンロール由来と思われるギタープレイが独自の形で変形した彼のスタイルは、Loren ConnorsだったりTerje Rypdalといった唯一無二系特殊ギタリストの系譜としても聴きたいところです!奇跡の名盤!




Allan Thomas ‎– A Picture
Label: Sire ‎– SI 5901
Country: US
Released: 1971

ドゥーワップ・グループ出身のS.S.W.。フォーキー・ソウルというにはフォーク寄り、S.S.W.作というにはソウル寄り、こういったこれまで居場所の難しかった作品は、今日の感覚で聴けるものが多いように感じます。シンプルなバンド・アンサンブルも◎。アルバム通して粒揃いのメロウなグッド・ナンバーばかりで、何もないお休みの日の朝によく聴いていました。




Gary Bartz ‎– Music Is My Sanctuary
Label: Capitol Records ‎– ST-11647
Country: US
Released: 1977

時期ごとに音が変わるものの、どの作品も良質なアルト・サックス名手。プロデュースはSky Highチームで、モダン・ソウル寄りな音作り。1曲目の「Music Is My Sanctuary」がキラー・チューン。ちょっとフローティングするようなコード感、重ためのファンク・ビートと賑やかなパーカッションの行き来、そしてアンニュイ・ヴォーカルが堪りません...!




Gregg Suriano ‎– Peace Of The Rock
Label: Behold Records ‎– GS-000
Country: US
Released: 1978

今年はYouTubeディグで大量のローカル盤を聴きまくり、音とジャケを覚えて、レコ屋へ繰り出すというサイクルをしまくって、いろいろな作品に出会えました。先に書いたSteve Hiett、そして‎Gregg SurianoなるローカルS.S.W.のこの唯一作もYouTubeで情報を仕入れたもの。B面1曲目のヨット・ロック「I'd Rather Have Believed A Lie」がイチオシ・トラック!




Bobby Taylor And The Vancouvers ‎– Bobby Taylor And The Vancouvers
Label: Gordy ‎– 930
Country: US
Released: 1968

今年リリースされたNatalie Prassの新譜に収録された「Ship Go Down」にグッと来て、似た雰囲気のビター・スウィートなノーザン・ソウルを探していて辿り着いた1枚(ちょっと雰囲気違うかもしれませんが...)。この手のソウルにしてはマットなヴォーカル処理に程よい派手さなアンサンブルが◎。シングル・カットもされた「Does Your Mama Know About Me」、「Malinda」がお気に入り。全編良い曲揃ってます!




Full Sail ‎– Maiden Voyage
Label: Not On Label ‎– SW 2809
Country: US
Released: 1976

こちらもYouTubeディグでその存在を知った自主ヨット・ロック名作。ちょっと調べた限りでは当たり前のように唯一作。押しては返すさざ波SEでイン、軽やかなコンガがグルーヴする「Sailin' Along」がめちゃくちゃ名曲です!自分が入手した個体には、裏ジャケにJohn&Debbieなる友人夫婦(?)への直筆コメントがメンバー全員分書き込まれてるのですが、この手のコメントにしては長文でグッと来ました!




Wall Matthews ‎– The Dance In Your Eye
Label: Fretless ‎– FR 158
Country: US
Released: 1981

Folkwaysが生み出した伝説的実験土着サイケ・フォーク集団The Entourage Music & Theatre EnsembleのギタリストWall Matthewsのソロ作。全く盲点、知らなかった!The Entourage〜に比べると随分ジャズ・ロック、フュージョン色濃い危なっかしい冒頭曲に面食らいますが、2曲以降はアコースティック・ギターを使ったが続きますのでご安心あれ。「Whitebirds」、「The Village」、「The Dance In Your Eye」あたりはSteve Tibettsやインディー・クラシカル作品にも通じるコンテンポラリーなサウンド◎




Wolfgang Dauner ‎– Output
Records ‎– ECM 1006, ECM Records
Country: Germany
Released: 1970


電球男ジャケでお馴染みの名盤!Joki Freund、Jean-Luc Pontyなどの作品への参加でも知られるピアニストWolfgang Daunerが、ECMに残した電化フリー・ジャズ。アコースティックなジャズ・アンサンブルに、異物として投入されるシンセの音色がひたすら刺激的です!ラストの「Brazing The High Sky Full」は、強烈エクスペリメンタル・ファンクです!




Michael Gately ‎– Gately's Cafe
Label: Janus Records ‎– JLS 3039
Country: US
Released: 1972

ずっと探していた1枚!レコード・ハンティング・フレンドの谷口さんが誕生日にくれました...!初期Robert JohnやBlood, Sweat & Tearsらに曲提供をしていたMichael Gatelyの1st。甘みのある歌声にメロウかつウェルメイドなライティング・センスに脱帽。ソロ作は同年にリリースされた2ndを残し、その後もソングライターとしても特に目立った活動も無いまま83年に若くして亡くなってしまっています。A.O.R.時代にソロ作を残していたらまた違った評価があっとのではと思うと、なんだか悔しいですね。




Sly & The Family Stone ‎– There's A Riot Goin' On
Label: Epic ‎– KE 30986
Country: US
Released: 1971

今年の下半期一番ドハマりした1枚。トラップっぽいビートが飽和状態でどれを聴いても古くさいビートと感じていたところ、nonameやAri Lennoxの新譜あたりの生演奏とマシンイズムを組み合わせたファンク系のビートがすごく刺激で、そういったグルーヴやテクスチャー感覚の源流を探す過程で改めて聴き直しました。
自意識が強い質なので、欲しい欲しいと思いつつ今更レジへ持っていくのが恥ずかしく買えていない名盤が何枚かあり、そのうちの1枚でしたが、一昨日、オリジナルが安く見つかったので意を決してレジに向かいました...!


というわけでしつこくまだまだ続きます...

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